日産が、世界で唯一実用化したトロイダル式CVTだ。トロイダルCVTの原理は、回転する円錐の表面上を上下しながら転がるボールをイメージすればわかりやすい。円錐が一定回転するなら、ボールは頂点に近づくとゆっくり転がり、底辺に近づくと速く転がるが、トロイダルCVTはそれを応用したモノだ。実際のトロイダルCVTは向かい合わせになった、入力側と出力側の2つのおわん型の金属ディスクのあいだに、ローラーがはめ込まれており、そのローラーが傾斜しながら回転し、おわんからおわんへ動力を伝えていく。トロイダルCVTはダイレクト感があって、効率的かつ静か、高級車には理想的なのだが、いかんせんお値段がバカ高い。また高圧力、高温に耐える特殊な潤滑油が必要とあって、メンテナンス面でも問題があるため、なかなか一般化しない。いまはスカイラインの最上級車に載っているだけ。この方式は将来的にはなくなるかもしれない。ベルト式CVTは当初、効率がよいので燃費がいいという触れ込みだったが、プーリーのコントロールを油圧でおこなうため、ここにエネルギーを食われ、実際のところ格段にいいというほどではない。また、ダイレクト感に乏しく、エンジンの回転が上がってから、一息遅れてクルマのスピードがついてくるところが従来型のATに劣る。それでも最近のベルト式CVTはだいぶ改良が進み、かつてのようにウォーンと鳴くことはなくなったし、ダイレクト感も備えてきた。これからの小型車にはますます採用されていくだろう。
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