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美容整形、プチ整形の知られざる歴史

五〇〇年前にそう唱えた外科医がいた。アンブロワーズ・パレというフランスの外科医である。その頃の外科医は医者の仲間にいれてもらえなかった。医者は内科医だけで、外科は床屋の仕事と考えられていたのである。そんな医学界の偏見にもめげず、パレは外傷外科の分野で数々の業績をあげて名を残している。たとえば止血という操作。ケガで血が止まらないときは、出血しているところ、血管が切れたところで縛ってしまう。そんなことは素人でも考えられる常識だが、それを表だって提唱したため、パレは医学界から糾弾されてしまった。ラテン語も話せない床屋が何を言うかというわけだ。パレの場合に限らず、医学界は今でも偏見に満ち満ちたところであることは、読者のみなさんもとうに感じられているだろうが。パレは次のように言った。「私は包帯を施し、神がこれを癒す」とでも訳せようか。

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「神」という言葉に抵抗があれば、神を「自然」と置き換えてもよいだろう。僕たちは傷を治すことはできない。できることといえば傷が治るような条件を整えるぐらいだということである。つまり、傷の治りを悪くするような、たとえばゴミや石粒みたいな物があれば取り除いてやり、傷があんまり開いているとくっつかないから糸で寄せてやる、それくらいのことしかできない。その先は、神と言うか自然の治癒能力とでも言うか、僕たちの力の及ばない次元の話で、僕たちはそれを手助けするに過ぎないということを強調したい。美容整形、プチ整形はそんな歴史を経て、現在に至るのである。