結婚退職制、女子若年定年制、定年における男女差別などは、法律上禁止されてはいなかったが、裁判所は、これらを公序良俗(公の秩序、善良の風俗)に違反するとして、民法の一般的な規定(90条)を用いて無効と判断してきた。その後、男女雇用機会均等法が制定されたが、同法は、今日に至るまでの間、大きく変貌を遂げてきた。制定当初の男女雇用機会均等法では、男女差別が禁止される労働条件の範囲が限定されていた(募集、採用、配置、昇進、教育訓練、福利厚生、退職、解雇等)。
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また、その禁止の内容も、事業主に対して差別をしないように努力する義務を課すにとどまるものが中心で、差別を行った事業主への制裁は弱いものであった。当時の雇用社会には、男女の平等を強力に進めていくだけの社会的基盤がまだ十分でなく、いきなり法律を本格的に適用するのは適切でないと考えられたからである。