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住民にとっての「持ち家」とは

現在、全国で約四三〇万戸の分譲マンションに1000万人以上の人々が暮らしている。東京都ではマンション生活者が、全世帯の二割を突破した。首都圏で初めて住宅を購入する人の五割が、マンションを求めている。賃貸マンションも含めれば、膨大な数の人々が「コンクリートの箱」で暮らしている。二〇〇二年、国は、老朽化問題への施策として、大手不動産業者、ゼネコンの強い圧力を受けて「マンション建て替え円滑化法」を成立させ、「区分所有法(マンション法)」を改正した。老朽化した集合住宅の「建て替え」に向けて舵が切られたのである。古くなったら壊して建てればよい。「スクラップ&ビルド」が高らかに宣言されたのだ。だが、住民にすれば、「三〇年ローン」をようやく払い終わり、名実ともに「わが家」となったところで「取り壊し」なのである……。再びゼロから再建しなくてはならない。マンションとともに星霜を送りすでに高齢となった住民、リストラの波にさらされながら家族を守ろうとする世帯主たちにとって、それは生やさしいことではない。住民にとっての「持ち家」とは何だったのだろうか。