1年間の長い期間の最中には、まったく勉強する気がなくなった中だるみの時期もあったというK先生だが、養護施設でのボランティアで会う子どもたちの笑顔を励みに、最後のチャンスだという思いで乗り切った。「男性にとうては鬼門ともいえるピアノは、本職ともいえるだけに、課題がどんな曲であろうと自信があった。一般教科も努力の積み重ねで、合格ライン以上の実力を身につけている手応えもあった。イひとつ心配だったのは絵です。工作するのも苦手なほうなんです」。保育士試験は、社会福祉、児童福祉、発達心理学及び精神保健、小児保健、小児栄養、保育原理、教育原理及び養護原理、保育実習の8科目で行われる。その中の保育実習には実技試験があり、絵画制作関係で絵を描いたり、道具を使らだ工作が課せられる。苦手意識を持っていたその絵画制作関係では、子どもと大人が仲よく遊んでいる風景を、18色の色鉛筆で表せというものだった。それまで快調だったペンの動きが、ピタリと止まった。「頭が真っ白になって、結局時間内に線で描くのが精一杯で、色を塗れませんでした」。試験場からの帰り道も不合格の文字が頭白をちらつく。
[参考情報]
保育士専門学校について
http://www.seitoku.jp/kttcsu/